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Posted date:2015.06.15

【疑問】そもそも、電子書籍って何?【セルフパブリッシング】

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「そもそも、電子書籍って何?」「どうやって読むの?」「どこで買うの?」最近、そんな質問を頂くことが増えました。そこで、電子書籍の企画、制作、販売管理を行っているピッチコミュニケーションズのスタッフが、電子書籍の基本の”キ”から掘り下げて行きたいと思います。

セルフパブリッシング

©photo by Zhao !(flickr.com)

 

「電子書籍って何?」 「セルフパブリッシングって何?」

 

 2014年から電子書籍専門の出版社として業務を拡大したピッチコミュニケーションズ。企画、制作、流通、販売管理まですべててがけている仕事の特性上、最近、方々からそのような質問を受ける機会が増えてきました。 

 

ネットを中心に、電子書籍の話題が数多く報じられるようになった今日この頃。しかし、いざ自分たちが電子書籍に首まで浸かる立場になってみると、「電子書籍のことって関係当事者や、本好きの方以外には意外と知られていないのではないか」という疑問を感じることが往々にしてあります。 

 

もう少し、正直に言います。

最近では、電子書籍というメディアの認知度がとても低いということを痛感させられています。

 

また、「どうやって読むの?」「どこで買うの?」「自分たちでも作れるの?」「どうやって作るの?」「どうやって配信するの?」「どのくらい売れるの?」などなど、電子書籍にまつわるさまざまな質問を受ける機会も増えました。なんとなく電子書籍という言葉は分かるのだけれど、読み方や使い方がいまいち分からないと話す方が意外に多くいらっしゃったのです。

 

加えて、「電子書籍って何に使えるの?」「電子書籍のメリットは?」などの質問を受けることも増えました。これは、主に法人や企業の方からいただいている質問です。

 

そこでピッチログでは、読者、書き手、法人の方々に電子書籍を身近に感じていただければと考え、電子書籍の基本の“キ”から、電子書籍関連の情報やテクニック、活用方法などを、すこしずつ書きためて紹介して行きたいと考えています。併せて、業者、関係者、作者などとの会話の中から、電子書籍の現場で起こっている議論をご紹介していきます。

 

もしかすると、「そんなことはもう知っている!」とお考えの方もいるかも知れませんが、ひとつずつゆっくり書かせてもらえれば幸いです。ちなみに、電子書籍の最新動向では、日本であまり報じられていないニュースを用意していますので、もの足りないなとお考えの方はそちらをご覧下さい。

 

電子書籍とは?

 

電子書籍とはPCやスマートフォン、タブレット、専用端末などで見ることができる、デジタルデータでできた書籍のことです。紙本と同じ内容のものを電子化した電子書籍(例えば、村上春樹の『1Q84』電子版)があれば、紙本がなく電子書籍でのみ発売されているタイトルもあります。

 

ちなみに、大手出版社から発売されているタイトルの中で、電子書籍オリジナル作品というのはほとんどありません。もとになる底本(紙の書籍)があり、それが後に電子化されるというのが一般的です。また、すべての紙本が電子化されているという訳ではありません。そこの事情は、個々の出版社によるというのが現状です。

 

ただ最近は、紙の本が発売されて数週間後に電子版が発売されるというのが、業界常識になってきました。これは、出版社と著作者の間にある権利問題とも関わってくるのですが、詳しいことはまた別の機会に書きたいと思います。出版社と書き手が紙の本の契約を交わす際、この電子化の項目も入っているのが通常です。(もし、紙の本の出版を計画されている著者さんがいれば、契約書を交わす際に目にするはずです)

 

 底本がある電子書籍(電子版)は、紙本より若干安いという特徴があります。これは、制作費、印刷費、在庫管理費などがが、紙本に比べて少ないからというのがその理由になります。また、出版業界では電子書籍はまだまだ“紙の付属品”であるという意識が根強いため、値段も安く設定されているようです。実際、売上、販売部数だとまだまだ紙の本に敵わないため、数週間後に廉価版という形で発売されることがほとんどです。

 

電子書籍という言葉とともに、最近聞く機会が増えた言葉があります。

それは「セルフパブリッシング

 

横文字になっていますが、これは日本語の自費出版(自己出版)を意味する言葉です。紙の本の自費出版と電子書籍の自費出版を差別化するために、日本でも徐々に使われるようになってきました。セルフパブリッシングのノウハウについては、ピッチログで段階的に掘り下げて行こうと考えています。が、ここでは電子書籍市場では、このセルフパブリッシング、すなわち自分たちで作った本が数多く流通している、またする可能性があるという点だけおさえておいてください。

 

例えば、紙の本を全国の書店に流通させるとなると、かなりの手間と費用、そして出版社の規模が必要になります。一方、電子書籍であれば、紙の書籍よりも少ない負担で全国に配信することができます。また最近では、amazon、グーグルなどの書店を通じて、日本で作った電子書籍を海外で販売することも可能となってきました。ここには、さまざまな用意や手続きが必要ですが、紙の本に比べれば格段に出版しやすくなったことだけは間違いありません。

 

そのため、自分で書いて自分で配信するというセルフパブリッシング文化が、ぐっと身近になったと言うことができるかもしれません。また、このセルフパブリッシングの場合は、元になる紙本がなく、電子書籍が”オリジナル”になる場合が多いです。

 

アメリカではすでに、出版社を通さずセルフパブリッシングでベストセラー作家の仲間入りを果たした作家も少なくありません。日本でも今後、電子書籍とセルフパブリッシングはセットで発展していくと考えられています。

 

さて、日本の電子書籍市場は、以下のような規模になっているようです。

 

「2013年の紙と電子を合わせた書籍(ここでは「総合書籍市場」と呼んでいます)の売上金額は、8787億円。電子書籍の売上金額は936億円なので、書籍全体に占めるシェアは10.7%になります」(cnet.comより引用)

(※補足:2014年の電子書籍市場は1000億円を越えたという各関係団体の試算がある)

 

 

こうして見ると、現在日本で本と呼ばれているもののうち、10分の1がデジタルデータ。すなわち、電子書籍として流通していることになります。ちなみに、2015年4月現在、日本で流通している電子書籍の点数は約30万点。ここには、出版社が販売しているもの、セルフパブリッシングで出版されたものが含まれます。

 

 「日本の電子書籍市場で成功しているのは、現在のところ漫画(電子コミック)だけ。ただ、小説、自己啓発書など、一般電子書籍も徐々に売上が伸びています」(大手出版社電子部門担当者)

 

 上記のコメントは、電子書籍市場に長らく関わってきた関係者の談です。電子書籍が1000億市場になったとの統計がありますが、まだまだ漫画が売上の大半を占めているそうです。2013年度には売上の約8割(矢野経済研究所調べ)が電子コミックだったとも言われています。2014年、そして2015年もその傾向はあまり変わらないでしょう。

 

ただし、最近では小説や自己啓発などの分野でも売上が伸びているとの話もあります。出版社、流通業者、書店、それぞれ関係者に話を聞きましたが、その点については証言が共通していたので、おそらく嘘ではないでしょう。今年、爆発的に市場が広がる!というわけではないですが、少しずつ各ジャンルごとに拡大しているのは間違いなさそうです。同時に、セルフパブリッシングで、著作物を発表する機会も増えて行くと言えそうです。

取材・文 河 鐘基(ハ・ジョンギ)

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