^

Posted date:2015.07.11

【イルボンはライバルか】“スマイルキャンディ”イ・ボミのゴルフ道③

Share on LinkedIn
LINEで送る
Pocket


日本女子ゴルフ界で活躍し、“スマイルキャンディ“の愛称で知られるイ・ボミ。彼女はジュニア時代、どんな練習をしていたのだろうか。また、韓国ではどのような評価を得ていたのだろうか。シリーズ3回目は日本ではあまり報じられていない韓国時代に迫ろう。

イ・ボミ3

(写真は2009年の韓国プロスポーツ大賞受賞式にて。左は現在、阪神でプレーするオ・スンファン投手)

もうひとつ。現在の自分を形作ってくれた練習法があるという。名付けてパワーインパクト・ドリル。大量の砂を詰め込んだ軍用ダッフルバックをひたすら叩く練習である。

「小柄な私がより遠く飛ばすためには、ボールにパワーを伝えねばならず、そのためにはしっかり強くインパクトする必要があると思ったんです。それで最初はタイヤを叩いていたのですが、ゴムだと叩く音が大きいし、力任せになってしまったので、砂を積めた軍用ダッフルバックに叩くようになったんです。軍用ダッフルバックと聞くと“ゴルフとどんな関係が?”と不思議がられますが、砂袋を叩くことでインパクト時の感覚や正しいフォームを形状を記憶できますし、強く叩こうとすることでリリースのタイミングも自然に掴むことができます。さすがに軍用ダッフルバックではありませんが、今でもインパクト時の感覚を確認し研ぎ澄ますために、ときたま実施している練習法なんですよ」

全身から弾けそうなエネルギーをしっかりとボールに伝えてスイングする、イ・ボミのパワーインパクト。それは、彼女がジュニア時代から1日500回を日課にしてきたドリルの賜物だったわけだ。

そして、そんな練習熱心さが実を結び、高校3年生になると、イ・ボミはついに代表常備軍入りを果たす。元韓国代表コーチのキム・ジョンチョルは、当時のイ・ボミについてこんなことを言っていた。

「ボミは本当に努力家でしたね。ハードな練習でも笑顔を絶やさなかった」

「ボミは本当に努力家でしたね。代表と代表常備軍が合同で行なう合宿では、同世代や先輩たちが根を吐く体力トレーニングをいつも笑顔でこなしていましたし、練習法やゴルフ理論を学ぶ夜の講義メニューのときも、私たちコーチ陣の言葉を一言でも聞き逃すまいと真剣なんですよ。これは個人的な意見ですが、あの熱心さは同世代に出遅れた分を必死に取り戻そうとする彼女なりの覚悟ではなかったかと思いますし、同世代と練習することで、彼女自身も大いに刺激を受けていたのではないかと感じます。ボミはそういう子なんですよ」

イ・ボミ本人も語る。

「代表合宿はそれこそ同世代のトップレベルが集まる場所でした。だからこそ、その中でも“特別な選手になりたい”と強く思った。根拠はなかったのですが、競争心と向上心が重なって、“あの子にできるんだから私にもできる!”とも思いました。私、なんでも良い方向に考えてしまうタイプなんです。性格的に超がつくほどのポジティブ思考。そのせいで大雑把で失敗をすぐ忘れ、同じミスを繰り返してしまう欠点もありますが(笑)、私はいつも自分の可能性を信じてきました」

代表常備軍を経験して数ヶ月後にプロ転向したのも、自分の可能性を信じていたからだった。そのままアマチュアを続けていれば代表に昇格することもできたが、チェ・ナヨンやシン・ジエらはすでにプロで活躍していたし、パク・インビなどアメリカ留学に出る者たちもいた。同世代のライバルたちへの競争心からプロ転向を決意したという。

そして、プロ転向3年目の2009年、念願のプロ初優勝を飾る。前年に全米オーブンを制した同期のパク・インビを、プレーオフの末に下してのプロ初優勝だった。

さらに翌2010年には前出した通り、KPLGAで最多勝、賞金女王、最少ストローク賞、MVPの4冠を達成。その快挙は韓国メディアから、「山里育ちの田舎娘がグリーンデレラ(グリーンとシンデレラの造語)になった!」と称えられたほどだった。

それだけではない。この年、イ・ボミは“KLPGA広報大使”にも選ばれている。“KLPGA広報大使”は、実力と人気を兼ね備えた選手をKPLGAが毎年10名選抜し、積極的に売り出すもので、言わばトップ・ゴルファーの証でもある。高校時代まで無名だったイ・ボミだが、気がつけば“スマイル・キャンディ”の愛称で韓国のゴルフ・ファンを虜にしていたのだ。

(つづく)

取材・文/慎 武宏
*『書斎のゴルフ VOL.21』(2014年1月10日発売)掲載の記事に、見出しの付け替えなど加筆・修正を加えました。

[関連記事]

ピッチコミュニケーションズでは、韓国唯一のサッカー専門写真エージェンシーである『FA Photos』、韓国のスポーツ&エンターテインメント専門写真エージェンシーである『SPORTS KOREA』の日本における営業業務代理店業務も行なっております。写真についてのお問い合わせは、下記お問い合わせフォーム、またはこちらからお願いいたします。

Share on LinkedIn
LINEで送る
Pocket


お名前 ※
フリガナ ※
電話番号
メールアドレス ※
お問い合わせ内容 ※



Copyright © Pitch communications Ltd. All Rights Reserved,
当サイトに掲載されている全ての画像、文章、データの無断転用、転載 をお断りします。