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Posted date:2015.07.15

【イルボンはライバルか】“スマイルキャンディ”イ・ボミのゴルフ道(最終回)

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韓国人アスリートたちの本音に迫ったシリーズ連載[イルボンはライバルか]。女子ゴルフ界で活躍するイ・ボミ連載の最終回は、彼女がアマチュアゴルファーたちに推薦する練習方法から彼女が描く究極の夢まで。果たして“スマイルキャンディ”のメッセージは・・・・・・。

イ・ボミ4

イ・ボミに聞いてみた。アマチュア・ゴルファーたちに勧めたい、手軽な練習法をいくつか教えてほしいと。彼女は指で数えながら語り始めた。

「ダッフルバックを叩くのもオススメですが、砂袋を用意するのは簡単じゃないですからね。まずはやはり、インパクトの練習です。練習場でやくみもに打ち続けるのではなく、正確なインパクトでボールを捉える練習を繰り返すことをオススメします。それと先ほどお教えしたスタンスとラインを合わせながらショットすること。このふたつは練習場でできることなので、ぜひやってみてください。あと、目をつぶって打ってみる練習もいいですよ。もちろん、目をつぶったままでは空振りしますが、スイング・フォームを確認したり、体の動きを自覚することができます。目を開いていると、どうしてもボールの行方ばかりに気を取られてしまうので、目をつぶったままで打つことで、スイング・フォームだけに意識を集中させ、自分の体の動きを感じれば、修正すべきポイントが明らかになり、バランスの良いスイングと動きを身に付けるための始発点となります」

ウッドにアンアン、アプローチやパッティングでも試してみてほしいというイ・ボミ。彼女によると、韓国の多くのプロたちも採用しているだけに、一度試してみる価値はありそうだが、聞けばパッティングにも多くの韓国人プロが実践しているユニークな練習があるそうだ。

「2枚の硬貨を重ねて、上の硬貨だけをパターで打つ練習です。パターで重要なのはヘッドをしっかりボールのスウィートスポットに当てることですが、ボールの中心よりも上を叩いてしまうと転がりすぎてしまうし、下をヒットするとボールが若干浮いてしまい正確で安定的なパッティングができなくなります。そういったクセを修正してくれるのが、この硬貨を使った練習です。パターヘッドを地面スレスレに低くできますし、フェースをスイートスポットに合わせやすくなります。硬貨に集中しているのでヘッドアップを防止できますし、」

目隠しスイングに硬貨パッティング。練習場だけではなく自宅でも手軽にできそうなユニーク・ドリルだ。何よりも根気と集中力も養うことができるだけに、イ・ボミも日頃から実践しているという。その熱心さには頭が下がるばかりだ。

「究極的な目標は、日本でも賞金女王のタイトルを獲得すること。それが夢です」

「でも、365日四六時中練習しているわけではありません。コンディションが悪かったり、気分が乗らないときは無理に練習しないほうがいい。抱えている雑念やストレスがボールにも伝わって、余計に調子を崩してしまいまからね。練習も気持ちよく、楽しくやってこそ効果があるんです。よく言うじゃないですか。ゴルフは自分の内面や気質がそのまま映し出されるスポーツだと」

ゴルフは自分の内面や気質がそのまま投影されるスポーツ。イ・ボミが何気なく口にしたその言葉が、これまで彼女が歩んできた道と重なった。

朴セリに憧れてゴルフを始め、地道な努力を重ねながら、ついには韓国の頂点に立ち、さらなる高みを目指してやって来た日本でも着実に結果を残しているどころか、成長を続けているイ・ボミ。彼女を進化させてきたのは、努力を厭わない一途さとライバルや環境によって受けた刺激を向上心に変える思考回路、そして、シンプルだが決して消えることがないゴルフへの情熱にほかならない。

そして、それらはもしかするとイ・ボミだけではなく、すべての韓国人ゴルファーたちの体内にDNAレベルで刻まれているものなのかもしれない。イ・ボミも言っていた。

「進化成長しているのは私だけじゃありません。ほかの選手たちも年を重ねるごとにうまさと強さを増しています。そういう周囲の成長を目の当たりにすると、私ももっと頑張らなきゃと思えてウズウズしてきます。オフも早めに切り上げて、早々に来季の準備を始めようと思っているんですよ。シーズンオフに主に主眼を置くのは、体力トレーニング。有酸素運動や筋肉のバランスを整えるウェイト・トレーニングなどで地力をつけて、長いシーズンを最後まで戦い抜ける体を作り上げます。もちろん、クラブも握りますよ。自分本来の長所を生かしながら、足りないところを補強していくイメージです。とにかく、来季はさらにレベルアップした姿をお見せしたいですね。究極的な目標は、日本でも賞金女王のタイトルを獲得すること。それが今の私の目標であり、夢なんです」

韓国で賞金女王に輝いた多くの女子プロが日本に来日してきたし、アン・ソンジュや全美貞など、日本で賞金女王になった韓国人プロもいる。だが、韓国と日本の両方で賞金女王に輝いた者はまだいない。その前人未踏の快挙を成し遂げることがイ・ボミの究極の目標であり、原動力にもなっているのだろう。

一舜、彼女がその偉業を達成した瞬間が浮かんだ。喜怒哀楽の感情表現豊富な彼のことだ。きっと、ポロポロと大粒の涙を流しているに違いない。

「そうかもしれませんね(笑)。笑顔じゃなくて泣き顔になっているかもしれません」

悪戯っぽく笑いながら、さらなる進化を誓った“スマイル・キャンディ”。笑顔の奥にひそかに隠した稀代のショットメイカーのプライドが、そこにあった。

(おわり)

取材・文/慎 武宏

*『書斎のゴルフ VOL.21』(2014年1月10日発売)掲載の記事に、見出しの付け替えなど加筆・修正を加えました。

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