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Posted date:2015.07.17

【考察】電子書籍には紙本より優れた点がある【メリット】

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電子書籍には大きな可能性があります。今回は紙の本より電子書籍が優れている点を考察。電子書籍の企画、制作、販売管理を行っているピッチコミュニケーションズのスタッフが、電子書籍の基本の”キ”から掘り下げて行きたいと思います。

電子書籍の利点

©Michael Porter

前回、電子書籍はオンライン上のすべてのコンテンツと競合するという意味で、書店で売られている紙の本とは性質が異なるのではないか、という点について書かせてもらいました。

 

紙の本とは比較にならないほど競争が激しく、ライバルが多いとしたら、電子書籍市場拡大にとってネガティブな要素となるかもしれません。しかし、その認識なしに、売れる電子書籍を作るのは難しいのではないかと個人的に考えています。それに、オンライン上で商品が展開されるということは、何もネガティブな要素ばかりとは限りません。電子書籍が、様々なウェブサービス上で販売されうる可能性も同時に出てくるからです。

 

昨日Facebookが、Eコマース分野(オンラインショッピング分野)で、新たな動きを見せているというニュースが、techcrunch.comに掲載されていました。一部抜粋します。

 

BuzzFeedによると 、最近同社は、Facebookページ内で『購入ボタン』付きショップのテストを開始した

 

これが何を意味するのかと言うと、Facebookがオンラインショッピングに本格的に参入する兆しがあるということです。これは、Facebookに限らず、大手ITサービス企業全体が目指している方向のひとつだと言えます。日頃、慣れ親しんだSNS上に売り場が作られ、そこで電子書籍が販売される。長い目で見れば、そういう状況になってくることはまず間違いないと思われます。電子書籍は紙の本と比べてライバルが多い代わりに、売り場そのものも広範囲にわたる可能性があるのです。

 

その他にも、電子書籍には無限(とまで言うと大げさですが、大きな)の可能性があります。今回は紙の本より電子書籍が優れていると思われる点をいくつか考えていきたいと思います。

 

電子書籍が紙本より優れている点

 

まず、はじめに電子書籍の利点として挙げておかなければならないのは、ポータビリティ(可搬性)が優れているということです。端末一台で、数百タイトルの作品を持ち運べます。紙の本を数百冊持ち運ぶのは物理的にまず無理ですが、電子書籍であれば可能となります。

 

今後、数千ページの分量があるため持ち運びに苦労するけれど、手元に必要な書籍、例えば百科事典や六法全書、資格系の本などは、電子書籍で利用する方が便利になるかもしれません。個人的には教科書などの教材、大学で使用する参考文献などは、電子書籍向きではないだろうかという気がしています。持ち運びが便利ですし、印刷コストも下げることができます

 

実際、国内海外問わず、そのような特性を生かした商品作りもはじまっているようですし、次に電子書籍市場の拡大が期待されているのが、この教育用書籍の分野と言われています。今年3月にはkobo端末で知られる楽天が、教育ビジネス参入を発表しています。ITproに記事が出てましたので、一部抜粋します。

 

楽天は2015年3月19日、図書館向け電子書籍配信サービス『OverDrive』を運営する米オーバードライブを買収すると発表した。(中略)オーバードライブは、図書館や教育機関といった3万以上の施設に電子書籍配信サービスを展開。図書館や教育機関に登録した貸し出しIDを使い、PC、スマートフォン、タブレットで、電子書籍やオーディオブックなどを閲覧・再生できるサービスを行う。北米を中心に約50カ国、約5000社の出版社が提供する250万件以上のタイトルを取り扱う。オーバードライブの利用者は北米を中心に約2100万人。スティーブ・ポタッシュCEO(最高経営責任者)は「幼稚園から大学までの主要な教育機関を顧客に持つ」と話す。Rakuten Koboの電子書籍サービスの利用者は約2300万人。オーバードライブの買収により、総ユーザー数は約4400万人となり、『顧客基盤が倍増する』(楽天 常務執行役員の相木孝仁氏)。

 

(今後は、学生が教科書を忘れて怒られることもなくなるのではないでしょうか。せいぜい「もう、早くダウンロードしなさい!」となる時代がくるやもしれません)

 

ただし電子書籍には難点も。端末の電池が切れると書籍を読むことができなくなります。ちなみに、電池が長持ちするという観点から、おススメな端末はiPadです。他の端末は電池が切れるのが案外早く、使い勝手としてよくない印象があります。ここは、端末を作っている企業に改善をお願いしたい点でもあります。

 

ポータビリティ(可搬性)の利点はそのまま、ふたつめの利点とも関連してきます。それは、保存性の高さと、管理コストの低下です。これは、販売・制作側にとって、非常に有益な点となります。これまでの紙の本は、虫に食われたり、脱色したりしました。また、在庫を抱える場合、どこかにそれを保管しておくスペースが必要でした。つまり、管理するのに大なり小なりコストがかかっていたのです。

 

しかし、電子書籍はデータ管理を怠らなければ保存性は極めて高いですし、また保存する際のコストはほとんど皆無と言えます。一度データを作成してしまえば、絶版の可能性は限りなく小さくなります。もともと、絶版とは本が単純に売れないから行われる訳ではありません。本を保存しておくコストが、利益よりも大きいので処理していると言った方が正確です。出版社が在庫を抱える場合、税金がかかりますしそれもコストとなって跳ね返ってきます。電子書籍には、そのような心配がまずありません。

 

セルフパブリッシングをしたいと考えている方にとっても、この点はかなり重要なメリットになると思います。

 

さてここまで書いてきて、電子書籍の最大の利点についてまだ言及していませんでした。それは、電子書籍の販路・流通網が世界規模で広がっている、もしくは広がる可能性があるというということです。ただこの点については、見落とされがちというか、様々な制約があり、最大限に生かされていないというのが正直なところです。

 

次回は、この電子書籍の最大のメリットについて書きたいと思います。

 

(取材・文 河 鐘基)

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