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Posted date:2015.10.06

【日韓法律相談室】弁護士の立場から見た韓流の現在

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日本と韓国にまたがって活躍中の金弘智(キム・ホンジ)弁護士。日韓スポーツ界のトピックスや韓流エンターテインメントに関わる法律問題などを弁護士の視点から解説・紹介していきます。

金 弘智


●プロフィール
1981年東京生まれ。慶応慶應義塾大学卒業。慶應義塾大学法科大学院(ロースクール1期生)を経て、2006年に司法試験合格。現在は東京神谷町綜合法律事務所にてパートナー弁護士として勤務しており、日本と韓国の法律事情に明るい。特にスポーツやエンターテインメント関連の相談実績が豊富で、月に1度は東京とソウルを往復する。趣味はサッカー。

K-POP

韓流ブームは2004年のドラマ『冬のソナタ』をきっかけに第一次的なブームが始まり、2010年頃からK-POPなどを中心に第二次的なブームが始まったと言われます。

第二次韓流ブームの際には、既に私も弁護士4年目となっていましたが、この頃に日本の会社から受けた韓流関連の相談はとても“前向き”な内容ばかりでした。

例えば、「金先生、先月韓国で○○○という若い男の子のアーティストグループがデビューして、いきなりヒットチャートで1位を獲得したんだけれども、うちの会社と他社とでどちらかが日本での専属マネージメント権を獲得するか競争になっている。多少の条件に関わらず、絶対に権利を確保したいので、来週にでも一緒に韓国に行って○○○のマネージメント会社の社長と交渉してもらえないでしょうか」とかいったものです。○○○というアーティストは在日コリアンの私も聞いたことがない(失礼)グループでしたので、「韓流」という肩書きがつけばすぐにヒットするような時期だったのだと思います。

ところが2011年の後半あたりから風向きは変わり始めます。

相談内容も「金先生、△△△というドラマの日本での権利を△△△の韓国のマネージメント会社のX社との間で契約したんだけれども、実はこの会社、うちとは別の会社とも契約していたみたいなんだよ。冗談じゃないよ、まったく」とか、「韓国の×××社さんとは何度も日本でのイベントを成功させてきたから信用しきっていたんですけど、この前、先方の社長さんの強い希望に沿ってイベント報酬代金を前払いしたら、そのまま連絡が取れなくなっちゃったんですよ。何とかなりませんでしょうか」のような、とても“後ろ向き”ものも増えてきたのです。

誤解を避けるために申し上げると、熱狂的な韓流ブームが去ってしまった現在でも日本で名前を聞くことができる韓国の歌手グループ、俳優さんにかかわるケースではこの種の類のトラブルはまったく起きていません。しかしながら、その他のケースでは前述したようなトラブルに関する相談も多く寄せられているのも、また事実です。

しかも、近年は韓国国内でも芸能事務所に関するトラブルは多く発生しており、2014年に韓国では、「大衆文化芸術産業発展法」が制定されました。同法ではそれまでに規制のなかった芸能マネージメント会社等を設立しようとする者(同法では「大衆文化芸術企画業をしようとする者」と定義)について、文化体育観光部長官に登録をすることを義務付けています。

この登録には「大衆文化芸術企画業」に4年以上従事した者が役員に1人以上いること(法人の場合)などが要件となっています。2015年7月28日以降は同法に基づく登録証がなく営業を行った芸能マネージメント会社などは、同法に基づいて2年以下の懲役、または1000万ウォン(約104万2600円)以下の罰金が課されることになります。

韓流ブームは日韓の距離を縮める上でとても大きな役割を果たしてきましたが、再びブームを巻き起こすためには、上記のようなトラブルが二度と発生しないよう韓国の側で官民を挙げた努力を行うことが必要であるものと考えます。

 文/金 弘智(弁護士)

 

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