^

Posted date:2015.05.07

【マーケティング資料】韓国サッカー実態調査レポート2014【設問5】

Share on LinkedIn
LINEで送る
Pocket


韓国サッカーの現状については日本でも広く知られるようになった。しかし詳細な情報はまだまだ探しにくい。そこで、韓国サッカーの知られざる実態を明らかにすべく、信頼できるさまざまな関係者、関係各署を取材。その調査結果をここにリポートする。

Kリーグ各クラブの経済規模

©photo by FAphoto

 

設問5. Kリーグ各クラブの経済規模

 

 Kリーグの賞金規模

 

Kリーグ優勝賞金は3億ウォンから、2012年に5億ウォンに引き上がった。準優勝も1億5000万ウォンから2億ウォンに。また、フェアプレー賞は1億ウォンとなっている。個人賞としては、得点王に5000万ウォン、アシスト王に3000万ウォン、MVP1000万ウォン、新人賞500万ウォン、監督賞500万ウォン、ベストイレブン300万ウォンとなっている。

 

ハットトリックは50万ウォン、アシストノハットトリックは30万ウォン、年間フル出場500万ウォン、通算100得点や通算100アシストには500万ウォン、通算試合出場にも300試合300万ウォン、400試合400万ウォン、500試合500万ウォンという設定もある。

 

Kリーグ各クラブの経済規模

 

Kリーグ各クラブはその収支を正式に公表してはいない。ただ、メディアやサッカー関係者たちの間ではおおよそ以下のように推測されている。以下は2012年度の推定経済規模。

 

水原三星  350億ウォン
FCソウル 300億ウォン
全北現代 、蔚山現代 250億ウォン
城南一和  200億ウォン
浦項 、全南 、済州 180億ウォン
釜山、仁川 150億ウォン
大邱、慶南 、江原 130億ウォン
大田、光州 100億ウォン
尚武 軍費

 

このように水原、ソウル、蔚山が年間予算の上位を占めている。水原、ソウル、蔚山などのビッグクラブは、親会社から安定したサポートを受けている。全北は2006年のACL優勝を機に、親会社であるヒュンダイ自動車から莫大な支援を受けるようになった。

 

一方、城南は親会社の統一教会からのサポートに応じて、経済規模がまったく変わってくる。 2011年は統一教会からの支援が半減されて財政が苦しくなり、多くの主力選手を手放したが、2012年は一転してハン・サンウン、ユン・ピッカラムといった有望選手を獲得。そこには一和からの資金面でのテコ入れがあったのは間違いない。地方行政の出資で成り立つ市民クラブは、全体的に予算規模が小さい。江原はナム・ジョンヒョン代表取締役が個人財産40億ウォン以上を寄付した。

 

ただし、2013年になると、一部クラブの経済規模が縮小する。例えば浦項ステーーラーズだ。親会社で製鉄大手のポスコが業績不振を理由にクラブへの年間支援金を大幅削減。一説によると、それまで200億ウォンに登った年間支援金が100億ウォンに減少したと言われ、2013年度は外国人選手ゼロでシーズンを戦った。

 

それでもファン・ソンホン監督の指揮のもと、浦項はKリーグとFAカップの2冠を達成するが、2014年度も年間支援金は増えていないという。むしろポスコの首脳部が交代し、その顔色を伺わねばならない状況だという。ちなみに全南ドラゴンズも支援しているポスコ内部では、不景気の中で2チームを運営する理由はないとし、両クラブを統合しようという意見もあると噂されている状況だという。

 

国内最大の企業であるサムスン電子が支援してきた水原三星も、大きな変化に直面している。2014年4月、グローバル企業のサムスン電子からサムスン系の広告代理店である第一企画の子会社に編入されたのだ。これまでは“サムスン電子サッカー団株式会社”だった法人名も、“水原三星サッカー団株式会社”変更された。サムスン・グループ傘下であるものの、親会社が兆ウォン単位規模から億ウォン単位規模に縮小したことは、チーム関係者はもちろん、ファンやメディアにとっても衝撃的なニュースだった。事実、水原三星は昨年から親会社からの支援金が100億ウォン近く縮小されたという。

 

親会社がクラブ運営を放棄してしまった例もある。Kリーグ最多7回のリーグ優勝を誇り、2010年ACLも制した城南一和がそうだ。チームの母体企業である統一グループが、2013年限りで財政支援を打ち切ることを決定したのだ。

 

そもそも一和は、サッカー好きで有名だった宗教団体・統一教会の創始者・文鮮明氏の肝煎りで88年にソウルを本拠地にして誕生。96年に天安市、00年には城南市にホームタウンを移転しているが、文氏の強力なバックアップのもと札束攻勢で有力選手を大量に抱え込み、破格の勝利給でそのモチベーションを駆り立てることで数々のタイトルを獲得してきた。文氏が設立した「鮮文平和財団」が、世界の強豪クラブを招いて03年から隔年で開催してきたピースカップの常連でもあった。

 

だが、2012年9月に文氏が死去すると、統一グループからの支援が激減。以前からサッカーに消極的だった教団や傘下企業の後継者たちは2013年限りの支援打ち切りを決めたことで、クラブ首脳陣はクラブ存続の道を模索。クラブは城南市を本拠地にする市民クラブ「城南FC」として生まれ変わることになったが、その運営予算は年間70億ウォン強とされている。

 

Kリーグ各クラブの収入

 

Kリーグ各クラブの収益構造はほぼ同じと考えていい。放送中継権料と入場料収入、スポンサーシップ、広告収入(Aボード、ユニホーム広告を含む)、MD商品の販売などで成り立っている。ただ、各クラブは具体的な数値を徹底して非公開としている。

 

ちなみにプロサッカー連盟が各チームに提供する分配金は、チームごとに異なるが平均12億ウォン程度だと言われている。その内訳としては広告費1億5000万ウォン、マーケティング収益分配金2億5000万ウォン、スポーツtoto発展基金8億ウォンなど。来年からは2部リーグのチームにtoto収益金が均等分配されるため、一チーム当たりの配当金はやや減少する見通し。また、プロサッカー連盟は放映権収入64億ウォンも各クラブにすべて配分している。

 

入場者収入

 

これまでKリーグ各クラブの入場者収入の額は発表されてこなかった。しかし、2014年1月20日、韓国プロサッカー連盟理事会は第1回理事会で、1983年の発足以来初めて客単価を公開した。

 

プロ連盟によると、2013年シーズンのKリーグ・クラシック総観客は203万9475人、1試合平均7638人で、客単価は3708ウォンだった。客単価は入場者収益を観衆数で割った数値だ。その客単価と総入場観衆数に合わせて計算した2013年度のクラシック入場者収益総額は75億6237万3300ウォンだった。一番高い客単価を記録したのはFCソウルだった。有料観客比率85%で客単価は6452ウォン。

 

Kリーグ・チャレンジ(2部リーグ)の2013年観客数は24万3334人で、1試合平均1726人・客単価1983ウォンだった。昨年、チャレンジに参加した8チーム中、安養FCが有料観客79%、客単価4484ウォンでもっとも高かった。

 

ちなみに韓国プロ野球は毎年リーグと球団別の客単価を公開している。韓国野球委員会(KBO)が発表した統計によると、2013年度韓国プロ野球ペナントレース576試合の全体客単価は9125ウォンであり、9球団中1位を記録したネクセンの客単価は1万2232ウォンだった。

 

参考資料として各クラブの入場料を以下に整理する。

 

各クラブの平均入場料(大人1名)
ソウル 2万ウォン~1万ウォン=平均1万4000ウォン
水原  2万ウォン~1万2000ウォン=平均1万5000ウォン
城南  2万ウォン~1万ウォン=平均1万5000ウォン
全北  1万5000ウォン~1万ウォン=平均1万2500ウォン
仁川  1万5000ウォン~8000ウォン=平均1万1250ウォン
済州  1万5000ウォン~5000ウォン=平均1万ウォン
慶南  1万3000ウォン~1万ウォン) =平均1万1500ウォン
大田  1万200ウォン~8000ウォン=平均1万ウォン
蔚山  1万ウォン~8000ウォン=平均9000ウォン
江原  1万ウォン~6000ウォン=平均8000ウォン
光州  1万ウォン~5000ウォン=平均7500ウォン
尚州  8000ウォン~5000ウォン=平均6500ウォン
釜山  1万ウォン(全席自由席)
浦項  1万ウォン(全席自由席)
大邱  7000ウォン(全席自由席)
全南  7000ウォン(全席自由席)

 

マーチャンダイジング規模

 

近年、Kリーグ各クラブはマーチャンダイジングを収入源のひとつと捉え、さまざまなグッズを製作・販売している。ただ、常時オープンのメガストアやファンショップを持つクラブはなく、試合開催日に店舗を設けたり、インターネットを通じたネット販売が主となっている。ちなみにKリーグでは、その定款内で商品販売について以下のような規定を設けている。

 

第1章 商品化権原則
第1条(定義)  用語の定義は次のとおり

 

マーチャンダイジング規模

 

第2条(商品化権の帰属と運用)
①マークなどの商品化権の帰属は原則として次のとおり。
1.「Case・K」、「Case・K+全クラブチーム」→Kリーグにすべて帰属し、Kリーグのみが権利を行使する。
2.「Case・K+1クラブチーム」→Kリーグおよび該当クラブチームに帰属しKリーグと該当クラブチームが権利を行使するが、商品化前に相互に事前の書面協議を行なう。
3.「Case・1クラブチーム」→該当クラブチームに帰属し、該当クラブチームのみ権利を行使する。
②Kリーグおよび全クラブチームはそれぞれのマークなどを自費負担で開発・登録・管理するものとする。

 

第3条(収入配分)
商品化権行使によるKリーグの収入は、あらかじめ定められた比率によってクラブチームに配分する。

 

Kリーグ各クラブの支出構造。65~80%が選手人件費!!

 

Kリーグクラブの支出構造はほぼ同じだと言っていい。その内訳は、選手人件費、職員人件費、チーム運営費、出稿広告費(新聞、放送)などで、クラブは具体的な数値を非公開としているが、もっとも比重が大きいのが選手人件費だとされている。一説によると、Kリーグ各クラブの総支出の65~80%が選手人件費になっていると言われており、メディアでは「人件費比率を50%台にすべき」との声もある。

 

実際、Kリーグの選手年俸は高騰し続けている。1990年代後半はホン・ミョンボやファン・ソンホンらが突破した年俸1億万ウォンがスター選手の証だったが、近年は代表クラスになると5~6億ウォン、さらに人気も備えたスター級になると、10億ウォンを超えると言われているほどだ。これに加え、選手たちは出場手当、勝利給などのインセンティブ契約も交わしている。強豪チームの有力選手になると、そのインセンティブで手に入る金額が年間5億ウォンに達すると言われている。

 

ただ、Kリーグでは選手年俸は非公開にされきた。クラブ側が内部事情の公表は選手の士気低下を招くとしたのが最大の理由。韓国のプロ野球、プロとバスケットボール、プロバレーボールは年俸を公開しているにもかかわらず、サッカーだけは非公開が続いた。しかし、2013年からKリーグは各クラブの年俸総額や平均年俸を公開。2014年には外国人選手の平均年俸、国内選手及び外国人選手の高額年俸トップ3も公開している。(その詳細は後述を参照)。ここでは過去のメディア報道を集約して、近年の最高年俸と平均年俸を以下に整理する。

 

※過去5年間の最高年俸と最低年俸
2008年 モッタ(城南12億ウォン) 最低年俸1200万ウォン
2009年 エドゥ(水原15億ウォン) 最低年俸1200万ウォン
2010年 ソル・ギヒョン(蔚山9億ウォン)最低年俸1200ウォン
2011年 イ・ドングッ(全北10億ウォン)最低年俸1200ウォン
2012年 ジク(浦項20億ウォン)最低年俸2000ウォン

 

コーチングスタッフの人件費

 

コーチングスタッフの人件費もまた、Kリーグでは公表されていない。ただ、選手同様、メディアを通じて推定年俸が明らかになっている。

※過去5年間の監督最高年俸
2008年 チャ・ボングン 水原三星  5億ウォン
2009年 チャ・ボングン 水原三星  5億ウォン
2010年 チャ・ボングン 水原三星  4億ウォン(経済状況を考慮し自ら減額)
2011年 チェ・ガンヒ   全北現代  4億ウォン
2012年 ホ・ジョンム   仁川    5億ウォン(月給4000万ウォン相当)

 

2012年度の各クラプのコーチングスタッフ年俸(推定)
(右からチーム名、監督名、コーチ名)
ソウル チェ・ヨンス(2億5000万ウォン)   パク・テハ(1億5000万ウォン)
水原  ユン・ソンヒョ(3億ウォン)     ソ・ジョンウォン(1億ウォン)
済州  パク・ギョンフン(2〜3億ウォン)   イ・ドヨウン(1億ウォン)
全北  イ・フンシル代行(2億ウォン)    キム・ヒョンス(1億ウォン推定)
蔚山  キム・ホゴン(3億ウォン)      キム・ヒョンソク(1億2000万ウォン)
釜山  アン・イクス(1億5000万ウォン)   キム・インワン(7000万ウォン)
大邱  モアシル(2億ウォン)       タン・ソンジュン(9000万ウォン)
全南  チョン・ヘソン(1億8000万ウォン)  ユン・ドクヨ(1億ウォン)
浦項  ファン・ソンホン(2億7000万ウォン) カン・チョル(1億ウォン)
城南  シン・テヨン(4億ウォン+a)     キム・ドフン(1億2000万ウォン)
慶南  チェ・ジンハン(1億5000万ウォン)  イ・ビョングン(8000万ウォン)
江原  キム・サンホ(1億5000万ウォン)   ノ・サンレ(8000万ウォン)
光州  チェ・マンフイ(1億2000万ウォン)  ヨ・ボムギュ(7000万ウォン)
尚州  パク・ハンソ(1億2000万ウォン)   キム・ワン(6000万ウォン)
大田  ユ・サンチョル(1億5000万ウォン)  オ・ジュホ(7000万ウォン)
仁川  キム・ボンギル代行(1億)      キム・ヒョンテ(不明)

 

以上のような推定データに基づくと、Kリーグのコーチンググスタッフ年俸は、韓国代表のそれと比べと決して高くはない。かつて韓国では代表監督は名誉職で、直近のリーグ戦などで好成績を残したプロクラブから指揮官が任されることが多かった。86年ワールドカップのキム・ジョンナム、90年ワールドカップのイ・フェテクがそのケースである。

 

代表だけを指揮する専任監督制が採用されるようになったのは92年7月に就任したキム・ホから。当時の資料によれば、契約金200万ウォン、年俸3600万ウォン、月200万ウォンの公務費が支給される条件で、チームを94年ワールドカップに導いた際には、特別ボーナスも支給されたという。ただ、このキム・ホ以降、韓国の代表監督は選任監督制となる。KFAはその年俸を明らかにしていないが、その推定年俸は以下の通りだ。

 

韓国代表歴代監督過去10人

韓国の代表歴代監督過去10人表

 

【設問6】 Kリーグ各クラブの格差はあるのか >>>

【目次】【設問1】Kリーグの観客動員の推移 >>>

 

ピッチコミュニケーションズは、韓国の市場調査や情報収集を専門に行っています。また、韓国唯一のサッカー専門写真エージェンシーである『FA Photos』、韓国のスポーツ&エンターテインメント専門写真エージェンシーである『SPORTS KOREA』の日本における営業業務代理店業務も行なっております。問い合わせは、下記お問い合わせフォーム、またはこちらからお願いいたします。

Share on LinkedIn
LINEで送る
Pocket


お名前 ※
フリガナ ※
電話番号
メールアドレス ※
お問い合わせ内容 ※



Copyright © Pitch communications Ltd. All Rights Reserved,
当サイトに掲載されている全ての画像、文章、データの無断転用、転載 をお断りします。